Be My Last by 宇多田ヒカル [ △ おすすめの1品]
”春の雪”という映画が今日封切られる。
三島由紀夫が同名の原作で、”世界の中心で愛を叫ぶ”の行定勲監督がメガホンを取り、実力派の妻夫木聡と竹内結子が主演する話題の映画だ。
公式サイトよりストーリーを簡単にまとめると、
「大正時代、互いを強く想いつつもすれ違いと権力により結ばれなかった幼馴染の恋。」
ってな感じになりそうだ。
もちろんまだ上映を見ていないわけなんだけれど、テレビCMやHPからは気合いの入った美しい映像がたくさん見られるわけなのだが、それによってこの映画に掛けているスタッフの意気込みとか大正ロマンってやつの美しさとかそういうものを再認識させられている。そうすると、それが「愛しては、ならない」という”悲恋”のストーリーを描いた悲劇であることを一瞬忘れそうになる。
逆に考えると、”悲恋”を描いた悲劇だからこそ、より美しく感じられるのかな。まぁ、映画に関してはまだ見ていないということでここまでにしておく。
主題歌として宇多田ヒカルの”Be My Last”が使われているわけで、今回はそちらのレビューをば。
Be My Last・・・・・・直訳すると、「私の最後の人でいて」ぐらいになるのかな。もう少し気の利いた訳もできそうだけど、置いておいて。昨日のフジテレビ”僕らの音楽2”で宇多田ヒカル×行定勲監督をやっていた。その中で宇多田が「三島由紀夫が好きでよく読んでいるため、この曲は割と作りやすかった」みたいなことを言っていたところを見ると、この曲は彼女の旦那様がメガホンを取った映画、”CASSHERN”の主題歌となった”誰かの願いが叶うころ”に引き続いて、映画のために書き下ろされた宇多田作品となるのだろう。
しかし、皆様ご存知の通り、宇多田ヒカルと言えばどちらかというとPOPで明るいイメージがある。例えば失恋を描いた”First Love”にしても、完全な悲劇として書くのではなく一人称の感情の盛り上がりの繰り返しにより前へ前へと進むような悲劇から喜劇への脱却を目指した描き方をするわけだ。
それは正直、”春の雪”にて示される三人称からの無慈悲な横槍という、大人な事情のような、そういう”真性な”悲劇を描くには少し不安が残るのではないかと思っていた。
まず曲調的に言えば、歴史観を踏まえてのことだろうか、少しテンションを抑え落ち着いた雰囲気が映像のテンションと合っている。盛り上がりは「Be My Last・・・」と続く箇所なわけだが、このメロディーのテンションがやはり抑え目で、いや、抑え目なのにも関わらず切なく悲しく心に響く。それはひとえに宇多田ヒカルの歌唱力が高いということの裏返しなのだと思う。
三島由紀夫には全く詳しくないわけでここでは歌詞の過大な講釈はしないけれど、幾つか作中の重要なキーワードがあり、なるほどこの曲がこの映画の主題歌として立派に成立しているのだなと感じさせられた。
ここからは予想だが、この映画を見た後にこの曲を聴くと、そのキーワードの部分で何かを思い出して感情が高まることもあるのではないだろうか。それは、第3者として客観的に”真性”な悲劇としてこの曲が描かれているからであり、つまり第3者とは物語を見たものの視点に他ならないからである。
最近の邦画の流行、純正ラブストーリーの流れを汲むこの映画。まずは、”Be My Last”を聴いて「予習」をしてから見ることを、そして映画を見終わった後、もう一度”Be My Last”を聴くことをオススメする。
【追記】
今日、日本テレビの”歌笑HOTヒット10”という番組で、あややが”Be My Last”を歌っていた。あややの歌は上手い。アイドルの歌い方(まっすぐって意味で)だけど上手い。それは分かってる。
でも少し気になったのが、「♪Be My Last・・・」と4回繰り返して最後に上下にスラーさせるところ。オリジナルに似せるため、あややはその部分を4分の1拍前倒しで歌ったわけなんだけど、確かオリジナルは頭は(裏拍に)オンテンポじゃなかっただろうか。高ぶる感情を表現するためにわざと走って、その結果かすかに前倒しに聞こえるってのが正解じゃなかったかな(手元に音源が無いため確認できず。ぐぅ)。
懺悔します。 [ △ おすすめの1品]
なんかもう泣きそうで・・・ [ △ おすすめの1品]
ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン (通常版)
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2005/09/14
- メディア: DVD
ファイナルファンタジーVIIというゲームをご存知でしょうか?
やったことはなくても、名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
ファイナルファンタジーとは現在全部で11作(単純計算で、X-2とかインターナショナルはカウントせずで)が発売されているシリーズ物RPGです。RPGといいながらシュミレーションRPGもありますし、ゲームボーイアドバンスや携帯にまで活躍の場を広げている(アメリカでは映画も公開された)、なんとも凄いタイトルなわけです。ブランドと言ってもいい。現に一部は商標登録もなされていて、例えばTVのCMの提供でも「ファイナルファンタジーX」とか出るわけですし。
まー、この作品はその数あるファイナルファンタジーシリーズの中で一番の出来だと評される作品。正直、ストーリーは少しやっかいで、小学生低学年にはほとんど理解できないまま何となくクリアした人もいるのではないでしょうか?何より、ヒロインが殺されるってありえない話で。。。
それでも、本作が傑作と言われる理由は、幾つかありますがその中でも「キャラ立て」を俺は取り上げたいと思います。
肉体的には強いけど精神的にはもろい主人公クラウド。聖母のような優しさと強さを持つにも関わらず無常にも途中で殺されてしまう女の子エアリス。クラウドの幼馴染で格闘家、エアリスとクラウドの取り合いになった挙句終盤はずっとしおらしいティファ。アパランチという過激派のお偉いさんのくせに腕っ節は強いがオムツはいまいちのバレット。ライオン?猫?オオカミ?良く分からないけどそんな感じの姿をしてる人の話をしゃべる獣、レッドXIIIことナナキ。乗り物酔いする忍者、当時は広末がモデルか?って言われてたユフィ。戦う関西弁のぬいぐるみ、正体は神羅っていう悪い会社の幹部(リーブ)のケットシー。モンスターに変身出来る頭いい凄い人、渋すぎヴィンセント。シリーズ常連、キャプテンなシド。
ふぅふぅ。一息で説明するとこんな感じで。あぁ、懐かしい。
そんでもって、今回はVIIの続編がDVDムービーとして発売されたんですね~。
早速買って見ました!
詳しいことはネタばれになるんで書かないけど、もうそりゃぁ感動で泣きそうで・・・
そうかー、こんな風に戦ってたんだね~的な感動から、、、あ、まぁ、ストーリー的な感動までいろいろありました。
いやぁ、もうそりゃぁ、泣きそうで。。。もう今日は寝よう。。。
それにしても、、、やー、分かると思うんだけど諸事情によりとっても思い入れたっぷりなんです。そうかー、あれから8年も経ったんだねー。。。
世界一周旅行しちゃわない? [ △ おすすめの1品]
硬い文章が続いたので、ちょっとゆる~くおすすめの本など。
この本は、世界を自由に放浪したい人に贈る本だ。
と、筆者・高橋氏は言うわけなんだけど、まさしくその通りの本。
実際に高橋氏が世界中を放浪したときに撮り溜めた写真や日記の文章を中心に、実際に世界一周を達成した人の声が、アンケート形式にまとめられている。
読んでいくと、「自分がちっぽけな人間だなぁ~~」と、本気で思わされる。
なんていうかね、日本を脱出した人、世界を旅するという開放感みたいなものがびしびしと伝わってくる。自由とか自由とか自由とか、ひととひととひととひととの出会いや関わり方とか、美味しい料理と出会ったときの喜びとか驚きとか苦さとか、未知な物へ挑戦するときのどきどきわくわくとか、悠然とした自然を目の前にしたときの憧れに近いような畏怖の念とか、そういったもの全てが伝わってくるような、そんな本。
ぜひ、世界一周をする前に読んでおいたほうがいいよww
だってさ、世界一周航空券なんてそんな漫画のようなもの、実際にあると思ってた?
俺初めて知ったさ。。。
よし、行くか。そのときは皆で行くか!世界一周オフ、みたいな感じで。。。
まずはパスポート取らなきゃな・・・
<参考>
WORLD JOURNEY WEBLOG
http://www.a-works.gr.jp/cmt/
高橋歩氏のHP
http://www.ayumu.ch/
追記
去年、入院をながーくしてたときに、前の会社の同期からこの本をお見舞いでもらいました。
そのときに、高橋氏の力強い言葉のひとつひとつに、勇気や元気をたくさんもらいました。
死の淵から蘇えらせてくれたひとだったりものだったりするうちのひとつです。これもいいよ。